パソコンの話
小学生の頃
当時、携帯電話を持ち始める子がちらほら出始めるなか、私はPCにかじりついていたんです。
Youtubeやニコ動なんかはいまほど盛んではなく、その頃は面白フラッシュ動画やゲーム、アイコンチャットやコミュニティサイトが沸いておりまして。
マッキントッシュには「東脳(トンノウ)」なんていうサイケデリックで奇態なゲームもあって、まんまとハマってしまった、というわけですよ。
「東脳」という人の顔をした島に、魂をとられた主人公が様々な幻想生物に転生して、
それぞれの生に与えられた使命を果たし「臨兵闘者皆陣列在前行」の九字を集めながら魂を取り戻すストーリー。
楽しかった。とにかく目に映るものすべてにワクワクしてたんです。
ですが、学校の教室にも一台づつPCが置かれるようになった頃に、トンデモナイ事件が起こった。
帰りの会で先生が、血眼で言ったんです。
「ヤフーの検索エンジンで、セックスという履歴を見つけました。」
「検索した人は今すぐ名乗り出ること!」
ってね。これはかなり深刻な問題ですよ。
なにがって、昨日まで辞書や本しか知らなかった人類が急にインターネットという大海原の前に立たされたんです。
小学生ですから、もちろん童貞・処女しかいませんよ。
そんな人類がパーソナルコンピュータを目の前に、恐る恐る調べることって「国語」や「算数」だと思いますか?
ポコチンやマ○コに決まっているでしょう!!
せいぜい「保健体育」がいい所でしょうかね。
しかも名乗り出たところで、先生やお友達から「こいつはセックスと検索した、いやらしいやつ」と思われてしまうわけです。これは大問題です。「よくやった!お前は勇気がある!」ぐらい言ってやれないものか。
結局、泣きながら一人の男の子が名乗り出たんですよ。
これはとてもつらく、哀しい思い出として今でも定かに覚えています。
「セックスと調べたらまずい」なんてことは1ミリもないにせよ
「パソコンで何かをすると、履歴が残るんだ」と知れたのはよかったと思いますが。